テレビなどでよく耳にする「居住権」という文言は、そもそも六法にはないんだよと、学生時代にゼミの先生から教わりました。
居住しているという事実だけで権利を主張できるなら、公園や道路は全部ルンペンさん達のものになりますからね。
他人の所有物に住み続けるには、賃料を払うことによって「賃借権」を得なければならないのです。
ところが今回の民法改正で、いきなり「配偶者居住権」なる概念が誕生したのです。
たとえば、お父さんが亡くなって相続すべき財産が自宅のみの場合を考えてみましょう。今までならこの遺産を分割するには、お母さんと子供の共有とするか、売却して金銭で分けるのが妥当だったんです。
そんなお母さんの住む権利を保護するために、配偶者居住権は創設されました。子供に自宅の所有権を相続させても、配偶者は、死ぬまで無償で住み続けることができるようになります。この続きは次回に。